共用試験

共用試験とは

歯科医師として資格のない学生が患者さんの協力を得て臨床実習に参加するためには、事前に学生の能力と適性を評価することが求められます。また、学生が診療参加型臨床実習を通じて身につけた臨床能力を測り、歯科医師としての資質を備えていることを保証する必要があります。このような背景のもと、全国の歯科大学・歯学部が参加して実施されるのが共用試験です。本学部では、臨床実習前の共用試験を第4学年末に実施します。また、臨床実習終了後の試験は、5年次臨床実習後半および終了時に、実施されます。

共用試験の構成

5年次診療参加型臨床実習前の共用試験として、臨床実習に参加するために必要な知識を問う CBT(Computer Based Testing)と基本的な臨床技能や態度を問う OSCE(Objective Structured Clinical Examination)があります。また、臨床実習終了後には、臨床実習を通じて身につけた臨床能力(コンピテンシー)を評価する診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験(Post-CC PX:Post Clinical Clerkship-Performance Examination)が行われます。臨床実習前および臨床実習を通じて修得すべき内容は、歯学教育モデル・コア・カリキュラムに示されており、それに沿った内容についての試験が行われます。

CBT

CBTでは、基礎から臨床の各分野にわたる膨大な蓄積問題の中から、コンピュータがランダムに問題を抽出し、1問ずつ出題します。受験者はモニター上に提示された問題に解答します。

OSCE

OSCEでは、初診時医療面接、基本的診察および検査能力、基本的技能、説明・指導、基本的臨床技能という臨床5分野から6~7課題が出題され、受験者は決められた時間内で標準模擬患者やマネキンを用いた実技課題に取り組みます。

Post-CC PX

Post-CC PXでは、臨床実地試験(CPX:Clinical Practice Examination)と一斉技能試験(CSX:Clinical Skill Examination)の2つの試験をパッケージとして実施します。CPXでは、臨床現場における学生の態度やパフォーマンスを、CSXでは、診療参加型臨床実習を通じて学生が習得した基本的な治療技術を評価します。

試験結果

CBT および OSCE の結果は、医療系大学間共用試験実施評価機構で集計され、各受験者の成績は、全国の受験者の平均、偏差値等のデータとともに実施大学へ報告されます。本学部では、CBT および OSCE の結果を、それぞれ歯科学統合演習Ⅳおよび専門総合特別講義Ⅲの成績に組み入れ、進級判定に用いています。なお、各受験者には個人成績表が配布されます。また、共用試験の成績が一定の水準に達するまで、臨床歯科学Ⅱ(臨床実習)を受講できません。

Post-CC PX では、CPX および CSX の合格が臨床歯科学Ⅱの修了要件となります。