応用口腔科学分野

この分野は、病態の分子レベルでの解析を基盤として、これを歯科疾患の治療に展開することを目指しています。基礎、臨床の融合により、先端的歯科治療に寄与できる研究体制の構築を図ります。

口腔生化学/生化学

分野紹介

生化学および口腔生化学分野の研究領域は、口腔領域の細胞・組織の代謝、歯周疾患の病態解明などを中心とするものが大部分です。これらの研究成果は、歯科基礎医学の発展に貢献するのみでなく、歯科臨床における“Evidence Based Medicine”にも寄与する重要な研究領域です。歯周疾患の病態に関する研究は、歯周組織を構成する硬・軟組織やそれらを構成する細胞の炎症等に対する応答性を中心に細胞生物学的・分子生物学的アプローチによって膨大な知見が蓄積されつつあります。一方、高齢社会を迎え、自分の歯で摂食することは、身体的健康のみならず精神的健康の増進に重要です。そのためには、歯を顎骨に維持・固定している歯槽骨の病態と再生をアンチエイジングの視点から検討することも必要です。

また、単に病態の解明や組織の再生を考えるのではなく、病状の軽減や免疫反応の活性化なども視野に入れながら、Quality of Lifeの向上を考えた研究活動を目指します。

口腔病理学/病理学

分野紹介

病理学講座では研究、診断、教育の3つの目標を掲げております。
研究においては機能水の生物学的機能や口腔癌の増殖・メカニズムとその制御機構といった基礎的研究をはじめ、臨床に還元できる研究を多くの臨床系大学院生たちと行っています。病理学の範囲は基礎医学から臨床医学までを網羅しており、いずれも高いレベルを要求されます。当講座ではその意味でも、臨床応用を重視し新たな診断法、治療法開発につながる研究を目標としています。

次に診断ですが、臨床医学としての病理学は病理診断であり、常に患者さんのことを考えながら迅速で正確な病理診断を行い、臨床医の様々な疑問に答えられるように努めています。また、教室員や大学院生には日夜診断業務に参加してもらうと同時に医学部での研修などを通じて将来的な口腔病理専門医の資格取得を目指してもらっています。

そして教育です。病理学は基礎医学でありながら、臨床医学の性質も併せ持つ学問です。形態や細胞機能の変化を捕らえ、病変の成り立ち、病態、予後など病気の全体像の理解できる講義、実習を展開していきます。特に、近年の国家試験やCBTなどでは病理組織像を読み解く力が強く要求されるようになっていますが、当講座では学生さんがいつでも顕微鏡標本を観察できるような体制を整えています。こうした教育を通じてより多くの学生に病理学に興味を持ってもらえるように心がけています。

当講座では、研究や病理診断に興味のある大学院生を熱烈募集中です。医学部、歯学部はもとより、様々なバックグラウンドをお持ちの方々に当講座を訪ねていただき、一緒に仕事ができることを希望しています。
堅苦しさの無いざっくばらんな雰囲気で、楽しく仕事ができる環境づくりを目指しています。

歯科理工学

分野紹介

歯科理工学は、歯科医療の中で使用する様々な材料および機器について、その性質や構造、性能などを工学、化学、生物学および生体安全性の立場から研究する学問なので、材料・機器を取り扱うすべての歯科臨床系分野と結びついているばかりでなく、一般工業界とも密接な関係を持っています。

歯科理工学講座では、テーマごとに編成したグループが主体となって研究を推進しており、多くの臨床系講座と共同研究を行っています。これらの研究成果は、日本歯科理工学会、国際歯科材料学会議、日本バイオマテリアル学会の他、補綴、保存、矯正、インプラント、技工など国内外の関連学会で発表しています。また、歯学部を卒業した後も、常に最新の情報を正確に取り入れて診療を行うことは、非常に重要です。当講座では、将来これらの情報を分析・評価するために助けとなる知識や方法を習得し、幅広い研究内容から選択したテーマについて追求するサポート体制を整えています。

保存修復学

分野紹介

齲蝕を主とする硬組織疾患の治療を行うためには、ここで用いられる材料に関する知識および修復法を理解することが必要である。すなわち、どのように優れた性質をもつ材料であっても、その使用法が適切でなければ満足する結果が得られない。当教室ではこのような観点から、現在臨床で広く用いられている修復材について、その理工学的性質を解明し、より簡便で効果的な臨床手技の確立を目指している。

研究対象としては、臨床で使用されるほとんどの修復材および合着材などを網羅しており、その中でもとくに光重合型コンポジットレジンおよびグラスアイオノメーセメントに関する研究は内外から高い評価を得ている。さらに、臨床系講座の特色として、修復システムの短期ないしは長期的経過観察を通して、臨床的評価を継続的に行っている。

また、初期齲蝕の診断やその予防、あるいは再石灰化療法などの研究にも積極的に取り組んでいる。

歯内療法学

分野紹介

準備中です

歯周病学

分野紹介

準備中です

総義歯補綴学

分野紹介

当講座では歯科臨床系講座として、補綴臨床の理論と技術両面の習得を基本とし、歯科医療の改善・向上に極めて密着した研究課題について各groupが活発で意欲的な研究活動を行っています。

主な研究テ-マ
  • インプラント体チタン表面への親水性が及ぼす影響についての研究
  • 高齢者の健康長寿に関する研究
  • 咀嚼時における義歯床下組織への負担圧の研究
  • 口腔内の大きさ弁別能に関する研究
  • 顎口腔領域における機能活動様相の研究
  • ラットにおける疼痛誘発機構の研究

論文掲載は、J Dent Res、J Biomater Appl、J Oral Sci、PLoS One、日大歯学、J Biomed Mater Res、J Oral Maxillofac Surg 、学会報告は、日本補綴歯科学会、日本歯科医学会、日大歯学会、日本老年歯科医学会、日本顎口腔機能学会、日本咀嚼学会、IADR、JADR、FDR等で報告しています。

★「診療」「教育」「研究」を活動の3本柱としています。日々研鑽をつむかたわら、医局旅行や各種研修会などを通してアットホームな医局の雰囲気での人材育成にも万全です。日本補綴学会専門医認定研修機関であり申請等へも対応しています。

局部床義歯学

分野紹介

補綴学を多方面から研究し、明日から役立つ臨床学や将来役立つ基礎データを求め研究を進めている。生体に有利な補綴処置を知るために、有限要素法による三次元の解析と共に模型実験や臨床データを集積し、局部床義歯や顎義歯の適切な設計法、補綴装置を提案しながら、多症例に対応できるソフトを開発中である。また、歯や歯槽骨の再生因子を検索し、欠損修復の治療法を模索している。さらに、種々な補綴装置と接する生体組織の性状や変化を確認し、生体に統合した補綴装置を追求している。また、全身の筋活動と咬合の関連性を検索し、咬合様式の違いがスポーツ競技時の身体筋活動の閾値に、どのように影響するか等、全ての医局員が研究に関与し、学会発表や論文投稿を行っており、補綴臨床においての疑問点や不明瞭な点および改良点等を抽出し、臨床に役立つ研究を進めている。

クラウン・ブリッジ学

分野紹介

本科目は歯科補綴学の中の歯冠補綴・架橋義歯補綴学の分野を対象としております。研究科修了までに、当該分野における教育者、研究者、臨床医として独立して業務を遂行する能力を修得することを目標としております。教育としては、大学歯学部、歯学系研究科におけるクラウン・ブリッジ補綴学の分野について、学生に対する教育の方法論等を考究します。研究関連においては、関連科目との接点も視野に入れ、学位請求論文に関係する事項についての専門的知識を深めます。臨床関連においては、基本的手技とともに、先進的技法に対する理解を深め、研究内容が臨床に反映できることを目標としております。また、専門医、認定医関連として、教員が所属する学会の専門医、認定医についての講義を行い、大学院在学中に資格取得のための準備を行います。