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新型コロナ オミクロン株の重要な性質を発見!(感染症免疫学講座)

お知らせ 大学院/研究所 研究関連
オミクロン株はなぜ爆発的な感染拡大を引き起こすのか?
-エアロゾル感染における「セルフリーウイルスの重要性」を提唱-

概 要

日本大学歯学部感染症免疫学講座・今井健一教授は、髙田内科クリニック(名古屋市)・ 髙田統夫院⾧ら本学の兼任講師3名と共に、新型コロナウイルス・オミクロン株感染者の唾液中には、宿主細胞の内外に付随していない裸のウイルス(セルフリーウイルス)が従来株やデルタ株よりも高比率に含まれていることを、世界で初めて発見しました。この成果は、世界 3 大医学雑誌の一つである JAMA(米国医師会雑誌)の姉妹誌:JAMA Network Open で 1 月 9 日(米国東部標準時11時)に公表されました。細胞に付随しているウイルスと比較すると、セルフリーウイルスはとても小さく軽いため、唾液に覆われた状態でも室内に⾧時間漂うことが可能です。オミクロン株では、このセルフリーウイルスの唾液への排出量がデルタ株の2.7倍、従来株の17.8倍と大幅に増加したことが、エアロゾル感染による新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大につながったものと考えられます。

 

本研究は、朝日新聞(1/11夕刊)、中日新聞(1/10朝刊)、東京新聞(1/10夕刊)、
日本歯科新聞(1/17)等の新聞や、webニュース(朝日新聞デジタルや
ヤフーニュース等)および、TVのニュースなどでも紹介されました。

掲載論文の詳細

タイトル:SARS-CoV-2 Omicron variant in human saliva in cell-free form.
著者名 :Imai K*, Ikeno R, Tanaka H, Takada N.   * corresponding author
誌名  :JAMA Network Open. 2023; 6(1): e2250207. 
doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.50207

研究成果のポイント

  1. オミクロン株感染者では、唾液中のセルフリーウイルスの量が1ml中に約 321 万個で、
    従来株の約18万個 やデルタ株の約117万個と比較して大幅に増加していることを発見
    しました。さらに全唾液中に占めるセルフリーウイルスの割合も、オミクロン株では
    21.3%と、従来株やデルタ株に比べて約4倍も高いことが判明しました。これらのこと
    が、オミクロン株の感染力の強さの一因と考えられます。
  2. セルフリーウイルスのエアロゾル・空気感染で果たす重要性を世界で初めて提唱しました。

今回の研究成果を表す概念図

感染症免疫学講座HPでの紹介  http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/microbiology/

論文掲載ページ(JAMA Network Open)