学部長挨拶・沿革
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学部長挨拶
自主創造の素養を身につけた社会に有為な歯科医師を育成
歯学部長 本田 和也
我が国は少子高齢化が急速に進み,世界に類を見ない超高齢社会に突入しました。平成28年の歯科疾患実態調査結果(厚労省)によると,子どもたちのむし歯の数が減少する一方,8020(ハチマルニイマル)達成者(80歳で20歯以上を有する者)数は着実に増加し,ついに50%を超えました。このような背景から,近未来の歯科医学は,小児期から高齢期に至る全てのライフステージにおける全人的医療のもとで口腔機能を維持・向上することで,国民生活の質や人生を豊かで安全にすることに貢献し,従来の口腔科学に加えて生活科学としての性格を強めていくことが求められています。 歯学部はそれに応えるために,創設者である佐藤運雄(さとうかずお)博士の「医学的歯学」の教育理念に基づいた6年一貫のカリキュラムを策定し,国民の期待に応えられる人材を育成しつつ今日に至っています。具体的には,倫理観・医療安全の順守,チーム医療,地域包括ケアシステム,健康長寿社会などの多様なニーズに対応できる実践的臨床能力を有する歯科医師を育成するための教育を実践しています。 日本大学教育憲章では「日本大学マインド」として「日本の特質を理解し伝える力」,「多様な価値を受容し,自己の立場・役割を認識する力」,「社会に貢献する姿勢」の三つを掲げ,そのマインドを備えていくために「自ら学ぶ」,「自ら考える」,「自ら道をひらく」という「自主創造」の三要素を身につけた学生を育成すると記されています。歯学部ではその具現化のために,日本大学全学共通初年次教育科目「自主創造の基礎」を他学部に先駆けて取り入れました。また,平成27年度からは,学生の更なる学修意欲向上のための「歯科学統合演習」科目を各学年に配置するなどカリキュラムの一部を改定し,「日本一教育力のある歯学部」,「社会に有為な歯科医師の育成」を目指して,教育力の充実を図っています。一方,文武両道の精神を貫き,クラブ活動を中心とする課外活動への積極的な参加も推奨しています。 歯学部は平成28年に創設100周年を迎えた歯学の伝統校として,今日まで我が国の医療に貢献した人材を多数輩出しており,歯科医療分野では高く評価されています。日本大学歯学部で歯科医学を学び,歯科医療をとおして国民の健康長寿に貢献したいという強い意欲のある皆さんの入学を心から歓迎します。
沿革
創設者 佐藤 運雄先生
大正5年、佐藤運雄博士が創立した東洋歯科医学校が、歯学部の前身です。当時の日本の歯学は、基礎医学の知識に乏しく技術偏重であったため、佐藤博士は、当時としては極めて先駆的な「医学的歯学」の教育理念、すなわち、歯学を単に口腔や歯だけにとどめず、全身との関連において組織的に学ぶことの重要性を強調しました。この理念は、現在、日本の歯科教育の基本となっています。 本学部では、このような歴史と伝統を更に発展させ、21世紀の高度な歯科医療に適切に対応しうる歯科医師を育成するため、常に教育課程を改善し、新しいカリキュラムによる教育を目指しています。