推薦図書 by教員
2025年度 推薦図書

2025年度 推薦図書
方法叙説
ルネ・デカルト 著, 小泉義之 訳 (講談社・2022)
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| 推薦者 | 渡辺 孝康 准教授(化学) |
「我思う、故に我在り」−−この世の中のあらゆる事物がいかに不確かで疑わしいとしても、かく思考をめぐらせている自身の存在は確かに真である。言い得て妙、実に簡潔明瞭にして疑いようのない真理である。他方、これを崇め奉るも、あるいは反駁の姿勢を決め込むにしても、他人が導いた真理の解釈というのは恣意性の排除が困難な性質のもので、当の思考の主の煩悶なぞ関心の主体から棄却されてしまうのが常である。はて、いかにして複雑緻密な哲学的思考を巡らせ真理に至ったものだろうかと本書を読み進めると、常人とさほど変わらぬ生活範囲において自然科学的観点の織り込まれた思考過程が明かされているのには妙な親近感がありつつも、常人には想像し得ない超越的な抽象思考に終始したものであってほしいとの、氏に対するこれまた妙な期待感も禁じ得ず、自らに内在する恣意性の半ば無意識的ともいえる発露を覚知すると同時に、その凡庸さにほとほと嫌気が差す。
そもそも、世に多く出回る訳本は「方法序説」と表記するのが一般というが、本書の訳者は敢えて「序」の字を「叙」にするのが相当であるとしており、わずかながら同類の訳本もあるという。その一つを何の気なしに読み流す程度ならば気楽なものだが、ただでさえ読みにくいとされる原著の意図を細部に至るまで損なわぬよう訳すのはもはや苦行の域とも思える。その結実であろうか、界隈に造詣がないにもかかわらず滑らかに読み進められたのは訳者の技量に依るところが大きいと感じた。そうなると俄然、内容の本質に対する興味が縦横に拡大しようとするのは自然の作用ともいえ、是非とも原著に手の加わっておらぬものをそのまま読んで存分に咀嚼したいところ、翻って仏語の取扱における己の水準が稚児にも至らぬのを思い出し、まずその方面の探究にかからねばと実現可能性の低いごく卑近な結論に達しては、氏の思索の深淵さとの対比を思い知らされる。

2025年度 推薦図書
悪文の構造
千早耿一郎 著 (筑摩書房・2024)
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| 推薦者 | 渡辺 孝康 准教授(化学) |
かねてより、悪文が嫌いだ。何の事は無い、悪文に好かれないのではなく、こちらが悪文を好かぬだけのことである。何にせよ、悪文を目にするだけで虫唾が走る。駄文ならよいというものでもない。思えば小学校の時分には読書感想文なる宿題を後回しにする性分で、決して筆が立つ身ではなかったが、斯様にまで嫌悪するようになってしまった経緯には記憶が都合の良いように欠落している。
悪文を世に生み出す根源は、読み手の便という想定が書き手の意識において明瞭でないという浅慮、換言すれば独り善がりの強要に尽きる。昨今は時代の反映か、方々で誤字やら文法上の不備やらを散見し、推して敲くという所作すら知らぬのかと開いた口が塞がらない。まして、自動作成だの何だのと、自ら筆を執るのを放棄する始末である。ここまで徹底的に悪文を忌み嫌っていても、悲しい哉、目にする機会には望まないながらも恵まれてしまっている。伸び代のある未熟な文章を学びの折に発出してしまうのは百歩譲って仕方がないとしても、悪文であってはならぬ文章、ましてその最たるものとも言うべき、研究成果を学術的に文書化した論文の中に稚拙が露見するのは具合が悪い。
論文のみならず論理的な記述が要求される文書全般においてよく言われるのは、日本語は主語の省略が可能である上に述語が文末にならないと出現しないので論理的記述にはあまり向いていないのに対し、英語は主語と動詞が文の冒頭にあるため文の主旨を掴みやすく論理的記述に向く、という言語的な違いである。しかしながら、悪文は日本語のみならず英語においても多分に観察され、査読を担当することになった英語論文が悪文の巣窟であるときには、読後感もなにもあったものではない。一方、本書には、日本語は決して論理的記述に不向きではなく、その文法的な構造を理解していれば論理的記述が可能である旨記載されており、特に、述語が必ず文末に来る点とそれに関わる文構造の解説には首肯するばかりであった。筆者はこれを重視して文章の修正を試みる作業を実験と称し、その土台となる理論を控えめにも仮説と称して実験を展開していくが、内容の明快さから言えばれっきとした法則なのではないか。これで少しは悪文に対する免疫もついたものと思いたいところだが、いかんせん世に存在するその絶対量は相当のもので、今日も人知れず平静の撹乱を被る。

2025年度 推薦図書
新編 普通をだれも教えてくれない
鷲田清一 著 (筑摩書房・2010)
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| 推薦者 | 渡辺 孝康 准教授(化学) |
なるほど確かに教わった記憶はないが、日常を過ごしていれば随所に「普通」は現れる。その典型といえば、品書きにおける量の多寡について中庸ともいえる基準量を指す場面であろうか。あるいは、特別の意図を持たない一般の使用に供される座席や部屋などにおいても目にする。ところがこの語句に関する理解を複雑にさせるのは、きわめて多様な場面で使用されるという点であり、ある種の無難さを纏った様式、方式、形式などを包括している。すなわち、損を回避したいが、かといって得や便益の超過もまた避けたいという、自己のみに終始できない他者との共存的相互関係やそれを過剰にまで意識してしまう民族性すらも垣間見える概念とでも言えようか。
その一方で、普通であることを良しとしない場面もあるから、余計に厄介である。外れていることによって個の顕示になり得たり、埋没から離脱する作用があったりもする。本書の著者は豊富な実例を挙げ「普通」を探っていき、それを包括的に整理するまでは行なっていないが、社会において安心安全な立ち位置を得るための拠り所であり絶対的なものではなく相対的に変化し得るもの、といった概念的位置づけが見えてくる。だとすれば、表立って教わってきたという意識に欠けるのも納得できるというものである。しかし、なにがしかの普通を教えてほしい場面があるのも現実である。普通であろうとすることに安寧を求めつつ、反面、普通でなくあろうとすることによって無二性を見出そうとする、人間とはつくづく社会的動物であると思いながら、そのような生態を冷めた目で俯瞰する観察者もまたその枠組みに属してしまっているという抗いようのない現実を突きつけられた心持ちになる。

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スワンプランディア!
カレン・ラッセル 著, 原 瑠美 訳(左右社 ・2013)
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| 推薦者 | 藤原恭子 准教授(解剖学1) |
南フロリダの小島でワニ園スワンプランディア!を営む家族の物語です。ワニ園のスターである母親が行うワニとのレスリングや水泳対決が園の人気演目でしたが,彼女の死と,近隣でのライバル遊園地出現により入場者が激減し,一家は離散の危機に陥ります。物語はワニ園の再起をかけて本土に向かい奮闘する長男と,行方不明の長女を探して湿地内を旅する次女の目線で交互に描かれます。一見荒唐無稽な設定でありながら,話の展開の面白さに引き込まれ,さらに登場人物たちの強い家族愛に感動を覚えます。島の大自然や登場人物たちの心情が,筆者ならではの豊かな語彙や独特の表現で生き生きと描かれているのも本作の魅力です。あまりにも独特で,情景が思い浮かびにくい部分もありますが,丁寧に読み進んで,現実と虚構が入り混じった世界を主人公達の目線で味わってみてください。

2025年度 推薦図書
はじめて読む 数学の歴史
上垣 渉 著 (KADOKAWA・2016)
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| 推薦者 | 松本 邦史 教授(歯科放射線学) |
懐かしい数学の定理がどのように生まれたのかを丁寧に解説してくれます。その時代に、よくここまで考え抜いたものだと、稀代の数学者たちの才能と努力に驚かされます。ただし、とくに後半は数式が多いので、普通の本の10倍くらいは時間がかかります。

2025年度 推薦図書
このあと どうしちゃおう
ヨシタケシンスケ 著 (ブロンズ新社・2016)
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| 推薦者 | 松本 邦史 教授(歯科放射線学) |
大人にこそ読んでほしい絵本です。 野良猫がそっと近づいてきたとき、私は亡き祖父母が会いに来てくれたのだと思うようにしています―読めばわかります。

2025年度 推薦図書
「がん」はどうやって治すのか―科学に基づく「最良の治療」を知る―
国立がん研究センター 編 (講談社・2023)
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| 推薦者 | 松本 邦史 教授(歯科放射線学) |
がん医療に携わる中で、がんの怖さや診断・治療の難しさ、そして医療者としてのやりがいを実感してきました。本書と姉妹本『「がん」はなぜできるのか―そのメカニズムからゲノム医療まで―』は、「がん」の基礎から最新技術までわかりやすく解説してくれます。
図書館より:上記姉妹本のタイトルをクリック、リンクより該当の電子書籍がお読みいただけます。

2025年度 推薦図書
あいては人か 話が通じないときワニかもしれません
レーナ・スコーグホルム 著 御舩 由美子 訳 (サンマーク出版・2025)
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| 推薦者 | 松本 邦史 教授(歯科放射線学) |
ワニの絵しか見ずに手に取った一冊です。読んでからというもの、「今、頭の中にワニがでてるなあ。」と感じることがあります。患者さんとのコミュニケーションや、日々の生活を前向きに楽しむヒントがたくさん隠されています。

2025年度 推薦図書
ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本
深津 貴之, 岩元 直久 著 (日経BP・2024)
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| 推薦者 | 大橋 一徳 助教 (薬理学講座) |
生成AIは、いまや誰もが使える身近な存在となり、文章作成や発想支援など多様な作業を効率化している。その利便性は、検索エンジンが情報アクセスを変えたように、知的生産の形を一変させつつある。一方で、「期待したほど使えない」「誤った内容を出す」との声も多い。だが、こうした問題の多くはAIの限界ではなく、ユーザーのプロンプト(指示文)の設計に起因する。本書はChatGPTを題材に、効果的なプロンプト設計の要点を理論と実例で平易に説く。「プロンプトが重要である」との認識が広まる今も、検索エンジン的な使い方にとどまる読者に、本書はAIとの対話の質を一変させる契機となるだろう。

2025年度 推薦図書
冷静と情熱のあいだ Rosso /Blu
Rosso 江國香織/ Blu 辻仁成(角川書店・2001)
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| 推薦者 | 佐藤紀子 准教授(健康科学分野) |
学生時代、恋人同士だった二人のその後の10年、「今」が描かれた恋愛小説です。
よどんでいた二人の時間が、少しずつ動き始めていきます。
「過去を蘇らせるのではなく、未来に期待するだけではなく、現在を響かせなければならないのだ」
印象に残った一文です。
江國香織が女性、辻仁成が男性の今を、それぞれの視点で表現します。相手が見ている世界や考えていることは自分の想像を超えているということに気付かされます。二人の作家の文体の相違がそれを後押しします。
Rossoを先に読むか、Bluか?1章ごとに交互に読むか?読み方も楽しみの一つです。
ほとんどの学生が生まれる前の1999年、四半世紀前に出版された小説です。古臭さは感じないと思うのですが…どうでしょう?ぜひ、感想を聞かせてください。

2025年度 推薦図書
三毛猫ホームズの推理
赤川次郎(角川書店・1984)
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| 推薦者 | 推薦者 竹鼻 康輔 助教 (歯科理工学) |
言わずと知れた赤川次郎の推理小説「三毛猫ホームズ」シリーズの一作目。キャラクターがコミカルで、非常に読みやすく、サクサクと読み進めてしまいます。長期に続いているシリーズですが、初めの数巻以外はどれから読んでも良いので気軽に読むことができます。また、何度かドラマ化もしている作品なので、そちらから入るのも良いかもしれません。

2025年度 推薦図書
ごきげんになる技術 : キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方
佐久間宣行(集英社・2024)
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| 推薦者 | 推薦者 西尾 健介 助教(補綴Ⅰ) |
皆さんは、佐久間宣行さんをご存知でしょうか?
以前には、本学の「理事長・学長セレクト講座」にもご登壇いただいたことがあります。佐久間さんは、かつてテレビ局に勤務されていましたが、現在はフリーのプロデューサーとして、皆さんもよくご存じのコンテンツを数多く手がけていらっしゃいます。
そう聞くと、特別な感性や才能を持った方のように思われるかもしれませんが、実は私たちと同じような悩みを抱えていることに驚かされます。
本書では、佐久間さんの仕事に対するマインドセットがまとめられており、職種が異なる私たちにも役に立つ情報が満載です。「メンタルをすり減らさずに生きるための視点」が詰まった本書を、ぜひ手に取ってみてください。

2025年度 推薦図書
世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑 セルフケア編
まきた りょう(株式会社KADOKAWA・2024)
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| 推薦者 | 好士 亮介 専任講師(医療人間科学) |
不摂生な生活を反省し、健康のため運動しよう!早速、筋トレやストレッチをやってみると... 正しいやり方が分からない!
調べてみると、「どこの筋肉をどのように使っているかを意識する」ことが必ず書いてある。でも残念ながら筋肉の知識が失われている(学生時代、あれだけ勉強したのに...)。かと言って、教科書や専門書は敷居が高い。
そんな時に読んで欲しい本です。
筋肉同士の連動や身体の動きと筋肉の関係が分かりやすく解説してあります。「セルフケア編」もあるので解剖学的な理解を深めながら実践できます。筋肉のつながりのイメージを膨らませて、効果的なエクササイズを行い、健康を手に入れてみませんか?

2025年度 推薦図書
世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑
まきた りょう(株式会社KADOKAWA・2023)
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|---|---|
| 推薦者 | 好士 亮介 専任講師(医療人間科学) |
不摂生な生活を反省し、健康のため運動しよう!早速、 筋トレやストレッチをやってみると... 正しいやり方が分からない !
調べてみると、「どこの筋肉をどのように使っているかを意識する」ことが必ず書いてある。でも残念ながら筋肉の知識が失われている(学生時代、あれだけ勉強したのに...)。かと言って、教科書や専門書は敷居が高い。
そんな時に読んで欲しい本です。
筋肉同士の連動や身体の動きと筋肉の関係が分かりやすく解説してあります。「セルフケア編」もあるので解剖学的な理解を深めながら実践できます。筋肉のつながりのイメージを膨らませて、効果的なエクササイズを行い 、健康を手に入れてみませんか?

2025年度 推薦図書
このオムライスに、付加価値をつけてください
柿内 尚文(ポプラ社・2025)
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| 推薦者 | 好士 亮介 専任講師(医療人間科学) |
世の中には似た商品やサービスがありますが、人気には差が出ます。また同じように続けていても、いつの間にか廃れていくことがあります。
何故このような違いが出てくるのでしょうか?
その理由の一つとして挙げられるのが「付加価値」です。付加価値を作り、それをしっかりと伝えられているか否かで変わってきます。これは商品やサービスに限らず、人にも当てはまります。自分の「付加価値」は自分の強みにも繋がるのです。
自分の「付加価値」を見つけて、ちょっとポジティブになってみませんか?