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2023年度

いちばんおいしい家カレーをつくる

/水野仁輔著(プレジデント社・2017)

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推薦者 柴崎 翔 助教(歯科保存学第Ⅰ講座)

一度その香りを嗅ぐと食欲が支配されてしまう,みんなが大好きなカレー。お店で食べるカレーももちろんおいしいですが,やっぱり家のカレーが一番。この本を読めばもっとおいしい家カレーが作れちゃいます。

ただし,この本はただのレシピ本ではありません。よくあるレシピ本というは材料がどのくらいで,どういう順番で調理して,何分間炒める煮込む,というものが多いと思います。しかし,特に火入れの時間などに関しては,各家庭のコンロの火力や使用する調理器具によって異なるものであり,なかなかレシピ通りの料理を作るというのは難しいものです。その点,この本では調理過程でどうなったら次へ進んで良いかというのが明確に記載されているので,料理の基本にもつながるものがあります。特にカレー作りにおいては,煮込み料理ではなく炒め料理であるという認識の転換が必要であり,序盤の炒め作業が非常に重要です。玉ねぎ炒めでの火力のコントロール,コツ,どういう色になったらOK か,水分飛ばしの目安のカレーロードとは何なのか,などが分かりやすく説明されています。そういった内容ですのでレシピは3 つしか載っていません。

1 つ目はいわゆる欧風カレー。一般的に家庭で作るような,肉と野菜を煮込んでルゥを溶かして作る,なじみの深いトロっとしたカレーです。その家庭的なカレーのコクとうま味を1 ランクグレードアップさせることができます。
2 つ目はスパイスを使った香り高く刺激的なインドカレー・スパイスカレーです。一度は誰しもルーを使わずにスパイスだけでカレーを作ってみたいと思ったとがあると思います。ただ作ってみたいと思ったところでそもそもどうすればいいかわからない,スパイスの種類がありすぎてどれを使えばいいかわからない,作ってはみたもののどこか味気ない,などと悩むのは誰もが通る道です。そんな苦い思い出もこの基本のチキンカレーを作れば払拭することができます。
3 つ目は,欧風カレーのコクとうま味,スパイスカレーの刺激的な香り,その両方のいいとこどりをした究極のカレー,その名も「ファイナルカレー」です。どんなカレーかは読んでみてからのお楽しみ。

著者の水野仁輔先生は他にも多くのカレーレシピ本を出版されており,この本を基本として調理すれば,多くの種類のカレーをレシピ通りに作ることができます。カレー作りにつまずいた人も,これからカレー作りに挑戦する人にも最初の1 冊にお勧めの本です。
ぜひご賞味あれ。