歯学部の教育プログラムが文部科学省の「医療人GP」に選定

歯学部医療人GPプロジェクト推進委員会委員長 桑田 文幸 (教授 化学) 




歯学部医療人GPプロジェクト
 文科省が今年度から募集を開始した「平成17年度地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム(医療人GP)」に、本学部・付属歯科病院の学部教育・卒後研修プログラム「離島歯科診療の支援基盤となる卒後臨床研修」が、医療人教育への取組として高い評価を得て選定されました。医療人GPは、医療人教育等において、地域のニーズに対応した医療を行える医師・歯科医師の養成支援のために、大学改革推進等補助金より財政支援が行われる補助事業です。文科省は本事業により、医療人教育の一層の活性化や促進を図り、さらに地域医療に貢献する医療供給システムの構築を目的としています。この度の募集対象は大学病院を設置する全国の国公私立大学や学部・付属病院で、事業期間は平成17〜19年度までの3年間です。医療人GPに選定された大学・付属病院は、教育や医療活動の実施に加えて、一般の市民を対象とした公開シンポジウム・フォーラム等を開催して、広く社会に教育・医療活動内容等を情報提供することが求められています。募集テーマは「へき地を含む地域医療を担う医療人養成」と「全人的医療を実現できる医師・歯科医師の養成」であり、本学部は前者について申請しました。これに申請した51件のうち15件が選定され、歯学部・付属歯科病院の選定は本学部1校のみで、14件は医科大学・医学部と付属病院でした。
 本学部はかねてより、東京都から委託された医療事業として、新島、式根島、利島、神津島等に医員を派遣して、地域住民のための歯科保健の向上を目指した医療活動を展開してきました。この医療活動を通じて得られたノウハウや人材を基盤として、本学部付属歯科病院と東京都、歯科医師会、地域の保健所、住民代表から構成された協議機関の立案した実施計画のもとで本学部のプログラムが実施されます。本プログラムの実施計画では、平成18年度から必修化される卒直後の研修制度に連携して研修歯科医(研修医)と指導医のチームを派遣して、地域ニーズに応じた医療活動が実施されます。また、本歯科病院内に通信用サーバーを設置して、付属歯科病院と島しょ地区の各診療所間に通信ネットワークの構築を行い、診療に関わる画像・音声データをリアルタイムで送受信できる遠隔医療システムの導入が行われます。このように臨床能力の高い指導医の派遣と遠隔医療システムの導入等により、同地区における診断・治療技術の水準は高度なものとなり、地域住民への医療サービスの向上も期待されます。
 本プログラムは、例えば、「医療人間科学」でへき地医療の問題点を臨床実習の開始前教育で学習、また、医学的問題だけではなく心理的問題や社会的問題等を考慮した患者さん本位の医療のあり方を臨床実習期間で学習するなど、卒後研修だけでなく現行の学部教育とも連携しています。このような歯学部教育から卒後研修までの連携した一貫性ある医療人教育の実施がこの度の選考で評価されたものと思われます。本プログラムには、教育分野だけでなく、歯科病院とへき地で勤務する医師・歯科医師の診療支援や遠隔医療など、医療系大学と地域医療との連携の在り方を示す医療供給システムとしても注目されるコンテンツが含まれています。

 本学部では、医療技術だけではなく、人間性を重視した医療人教育の完成を目指しており、この教育理念に沿った教育プログラムをもとに、地域から信頼される良医の育成に努めていきます。3月11日にはへき地医療をテーマとする公開シンポジウムを主催いたしますので、多数のご参加をお願いいたします。

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